直帰率とは?SEOへの影響や改善方法を徹底解説!
投稿日:2023/01/17 (更新日:)
Googleアナリティクスでは、自身のサイトのユーザーの直帰率や滞在時間などのデータを確認することができます。直帰率はSEOに直接的に影響はないと言われていますが、検索順位に間接的に影響を及ぼす可能性もあります。
この記事では、直帰率の考え方やSEOとの関係を確認するとともに、直帰率を改善する方法を解説していきます。ぜひ、参考にしてみてください。
SEO対策における直帰率とは何か?
直帰率とは、Webサイトを訪れたユーザーが他のページを閲覧せずに、サイト外へ離脱した割合のことを指します。そのページだけが唯一のセッションである割合のことでもあります。
直帰率はGoogleアナリティクス等のアクセスツールを利用して、ページ単位もしくはサイト全体などに切り分けて分析することができます。
ユーザーが直帰する理由
直帰率は自身のサイトの特定ページに流入してきたユーザーがサイト内を回遊することなく、検索体験を終了した割合のことを言います。
ユーザーが直帰する理由には、大きく分けて以下の5つがあります。
- ページにユーザーが期待した情報がない
- ページが見づらい、使いづらい
- ページの読み込みや動作が遅い
- ページから次の行動への動線が不足している
- ページで検索目的を果たせた
このように、ユーザーがサイトを訪れたときにストレスを与えると、離脱を招きます。その他にもページの最初に見えるコンテンツで検索目的を果たせた場合は、検索を終了するパターンもあります。
ここでのポイントは、『直帰率が高いページは改善する必要がある』とは限らないということです。なぜなら、多くのユーザーが検索目的を果たせているページは直帰率が高い場合があるためです。この点は、頭の片隅に知識として置いておきましょう。
離脱率との違い
離脱率とは、あるページが閲覧された回数(=PV数)のうち、そのページで離脱した割合です。です。
直帰率が流入したユーザーのページの離脱を計測の対象としているのに対して、離脱率はユーザー流入全ての離脱が対象になります。
離脱率は以下の計算式で計算できます。
離脱率(%)=離脱数÷PV数
離脱率を指標として計測・分析する必要があるのは、コンバージョンを設定しているサイトです。コンバージョンとは、webサイトで獲得する『最終的な成果』を指し、webマーケティングにおいて目標となる指標です。
離脱率はGoogleアナリティクス等で、ページ別に数値化されるため、サイト内の改善が必要なページを一目で確認できます。
離脱率が高いページを見つけた場合は、『どのように目的のページまでユーザーを移動させるか』を意識した施策を行うことが重要です。また、離脱率の高いページはコンテンツの質自体が低い場合もあるため、大幅なリライトやデザインの修正が必要な場合もあります。
離脱率の計測パターンは、以下の3つがあります。
- ブラウザを閉じる
- ページを開いて30分が経過する
- セッション中に日付が変わる
データ分析をする際は、ページを開いて30分が経過した場合や閲覧中に日付が変更した場合も『離脱』として計測されることに注意しましょう。
また、直帰率は『セッション』、離脱率は『ページビュー』と関連性が高いと覚えておくことで、理解が深まります。
直帰率や離脱率はランキングに影響するのか?
Googleは『サイトを評価する目的で直帰率や滞在時間などのデータは使用していない』と公言しています。つまり、ランキングへの直接的な影響はないということです。
しかし、ユーザー行動と検索順位は相関関係が見られることが多く、ランキングのデータとしてGoogleが利用している可能性があります。
ユーザーが直帰せずに多くのページを閲覧し長時間滞在しているサイトは、ユーザーが価値を感じている品質の高いサイトの証明になると言えます。
こうした傾向から、現段階でランキングに影響がない場合でも、今後も影響しないとは限りません。
直帰率の平均や目安
直帰率の理解が深まると、自身で運営しているサイトの直帰率をどうように判断すれば良いのか、平均値はどれくらいなのか、という点が気になると思います。
一般的には直帰率の目安は40%前後だと言われています。しかし、直帰率の『平均値』や『目安』は、自身のwebサイトを分析する上であまり参考にはなりません。なぜなら、サイトのジャンルやコンテンツの内容、集客経路や訴求内容によって数値が異なるからです。
直帰率の平均や目安を過度に気にせず、流入してくるユーザーが該当ページで『検索目的を果たせているか』が重要です。直帰率の高いページに全て問題があるわけではありません。例として、ユーザーは知りたい情報をピンポイントで検索することができた場合、すぐにサイトを離れます。直帰率は高くなりますが、ユーザーのニーズは満たされています。
直帰率は、ページの内容や自身のサイトのコンバージョンを考え、確認し判断する必要があるでしょう。
直帰率が低すぎる場合
直帰率は、低ければ良いとは限りません。
例えば直帰率が10%台やそれ以下を下回るときは、Googleアナリティクスの設定に不備があることも考えられます。よくあるケースは、Googleアナリティクス計測用のタグが、二重に登録されているケースです。
直帰率だけでなく、他のデータ分析にも影響が生じるので、Googleアナリティクスタグが二重に登録されていないか確認しましょう。
直帰率の計算方法
直帰率は以下の計算式で算出することができます。
直帰率(%)=全セッション数/直帰×100
直帰率や滞在時間がサイトの成果に与える影響
直帰率や滞在時間は、現段階では直接ランキングに影響するのかに関わらず、Webページの品質を測るための有益な指標であることは間違いないです。
著しく直帰率が高い場合や、滞在時間が短い場合、以下のユーザー体験を損ねる要因が考えられます。
- ファーストビューとの整合が低い
- 1ページ目で情報を得て満足したため
- 目的とするコンテンツがない
- サイトの表示速度が遅くい
- ページ導線がわかりにくい
上記が評価やランキングも上がらない原因となります。次の項目で解説していきます。
1.ファーストビューとの整合が低い
ユーザーが初めてWebサイトを訪問した時に、最初に見るページは非常に重要です。ユーザーが求めている情報がファーストビューに掲載されていないと感じた場合、ユーザーは新たに検索エンジンで他のサイトを検索します。その結果、ファーストビューとの整合が低いので、直帰率が高くなってしまいます。
2.1ページ目で情報を得て満足したため
ユーザーが求める内容が記載されていて、1ページ目で満足した結果として、直帰率が高くなることもあります。これにより、1ページ目は直帰率が高くなる傾向があります。
この原因に関しては、問題意識をもつ必要はありません。しかし、ECサイトなどの商品やサービスの受注・成約をサイトの成果としている場合、ランディングページを作る際などは、直帰率を改善する必要があります。
3.目的とするコンテンツがない
ユーザーは、求めている情報を検索して、表示されたタイトルや説明文を見て訪問するWebサイトを選択する傾向があります。タイトルや説明文とコンテンツの内容に差があると、ユーザーは、『求めている情報がない』と判断し、直帰率が高くなってしまいます。
また、有益なコンテンツがあっても、すぐに見つけられない場合も、離脱に繋がります。タイトルやレイアウトを見直し、メインとなるコンテンツをわかりやすく設置するなどして、ユーザビリティの高いWebサイトを目指しましょう。
4.サイトの表示速度が遅い
Webサイトの表示速度が遅いと、Googleの評価が下がり検索結果にも影響を及ぼします。
また、スマートフォンの普及で、人はスピーディーに何かしらの情報を得ることができない環境下では、ストレスを感じてしまいます。
Googleが2017年に行った調査によると、ページの表示速度に2秒の差があっただけで、32%も直帰率が増加したというデータがあります。このことから、表示速度が遅いのは特に注意するべき要因です。
5.ページ導線がわかりにくい
ページ導線がわかりにくいと直帰率や離脱率が高くなってしまいます。
また、リンク先のページのエラーや関連性が薄いページが多いとユーザーにとって有益な情報ではありません。
ユーザーが求めている情報を得るのに無駄な時間がかかると、離脱に繋がります。
ユーザーがページを読み進めたときに、新たな発見や疑問、知りたいことが生まれます。
これを予測してわかりやすい導線を作ることが大切です。
具体的には、内部リンクを設置して次のページに誘導するという対策が挙げられます。
しかし、遷移先のページの関連性が薄いと離脱してしまう原因になります。リンク先を添付する場合は、その記事やサイトに関連するものを適切に設置するようにしましょう。
直帰率の改善が必要なページを見つける方法
『直帰率の高いページ=改善が必要なページ』ではないですが、具体的に改善が必要なページは以下の方法で見つけることが可能です。
- コンバージョンの見込みがあるページを見つける
- 滞在時間が短く、アクセスの多いページを見つける
直帰率や離脱率が高いページは、根本的に質の低いページと判断できますが、これら全てのページを改善していては際限がありません。
サイト内全てのページの改善をするのが理想ですが、『コンバージョンの見込みがあるページを見つける』や『滞在時間が短く、アクセスの多いページを見つける』に的を絞って改善を進めていくことがサイトの成果に繋がるでしょう。
滞在時間やアクセスが多いなどの具体的な数値からパフォーマンスを測るには、Googleアナリティクスを活用します。
コンバージョンの見込みがあるページを見つける
直帰率の改善が必要なページは、コンバージョン増加の観点から選ぶことができます。
例えば、直帰率35%程度でも、コンバージョン率が他のページに比べて高い場合は優先的に直帰率の改善が必要です。これは、直帰率の改善がコンバージョンの増加に影響を与えるためです。
直帰率の高いページは、数値化すると目立ちますが、改善してサイトの成果に結びつかない場合は、無駄な施策をしたと同様です。
このことから、全ページの中でコンバージョン増加が見込めるページをリストアップして、直帰率との関係性を考えて対策をしていくのがおすすめです。
Googleアナリティクスでは「行動」メニューから、コンバージョンが発生しているページを確認することができます。コンバージョンの数値を確認し、次にコンバージョンがあるページの直帰率を確認するという流れです。
滞在時間が短く、アクセスの多いページを見つける
直帰率が高いページには、ユーザーの滞在時間が長いページと短いページが存在します。コンテンツがユーザーの検索目的と異なっている可能性があると、ユーザーの滞在時間が短い傾向があります。
直帰率が高いということは、ユーザーが検索結果のページに戻って、再度別のページを訪れている可能性が高いです。つまり、直帰率が高いページはユーザーの検索意図を満たせていないと考えられます。
この場合は、改善を図りましょう。
サイト全体の平均直帰率に対して、流入が多いが、目立って直帰率が高いページは改善が必要と言えます。このようなページは、Googleアナリティクスの「行動」メニューから確認ができます。
ページの改善を図る上でのポイントは『より改善後の効果が高いページ』を選定する視点です。改善が必要なページの特徴は『直帰率が高い×ページ滞在時間が短い×アクセスの多い』ページであることを理解しましょう。
直帰率の改善する方法
直帰率を改善するには、コンテンツの追加や内部リンクの最適化などを中心に対策していきましょう。
テーマに沿った質の高いコンテンツを作成し、読み進めてもらえる構成にして直帰率や離脱率を改善することがポイントです。具体的な改善方法は以下の4つです。
- サイトデザインの改善
- ページの表示速度の改善
- ユーザーニーズに応じたコンテンツページを作る
- コンバージョンに繋がる導線を改善
それぞれ詳しく解説していきます。
1.サイトデザインの改善
直帰率の改善をおこなう際には、滞在時間の長短を改善度合いの指標とすることがあります。
滞在時間の長さは、『文章のわかりやすさ』だけでなく、Webサイトのデザインも大きく影響を受けることがあります。文字やデザインが見づらいと欲しい情報を探しにくく、ユーザーのストレスになります。
ユーザーのページ閲覧を妨害しない色やフォントを用いたり、画像や動画を使用してコンテンツの表現力の向上に努めましょう。具体的な意図が伝わりやすくなり、結果として、ユーザーのストレスを軽減に繋がります。
2.ページの表示速度の改善
ページの速度を改善することは、ユーザーファーストを考える上で重要な要素になります。なぜなら、ユーザーは検索目的をスピーディーに達成したいと考えているからです。
サイトの表示速度が遅いほど直帰率や離脱率が高くなります。速度を上げる方法として、画像やHTML、CSSなどのソースは圧縮などがあります。このような対策をして、ページの読み込み速度を速めましょう。
また、ページの表示速度が遅いというだけで、ユーザーにとって無益なコンテンツと評価されてしまいます。再び、サイトに訪問してくれる可能性は低いです。
ページの表示速度を計測するツールとして、Googleが提供している『PageSpeedInsights』がおすすめです。無料で使用可能で、対象ページの表示速度スコアや改善方法を可視化することができます。
3.ユーザーニーズに応じたコンテンツページを作る
ユーザーニーズに応じたコンテンツへと改善するためには、『検索クエリ』の認知や把握が必要不可欠です。ユーザーが調べたい内容を検索窓に打ち込む言葉のことを検索クエリと呼び、ユーザーの悩みを言語化したものと言い換えることができます。
ユーザーニーズをコンテンツに落とし込む際は、Googleが提唱する「マイクロモーメント」を意識することが重要です。マイクロモーメントを活用し、ユーザーの検索行動に最適なコンテンツを提供できれば、ユーザーはそのコンテンツに対して高い価値を感じるようになります。
マイクロモーメントは以下の4つに分類されます。
- 知りたい(I-want-to-know)
- 行きたい(I-want-to-go)
- やりたい(I-want-to-do)
- 買いたい(I-want-to-buy)
流入してくるユーザーの検索目的は、上記の4つに分類されるので、これに応じてコンテンツの改善を図ります。『ユーザーニーズに応じたコンテンツか』『検索クエリに対して簡潔な回答できているか』を意識してコンテンツを作成しましょう。
4.コンバージョンに繋がる導線を改善
企業のサイトや個人運営のアフィリエイトサイトは、Webサイトで達成したい成果であるコンバージョンが設定されています。その多くは『購入』『資料請求』『お問い合わせ』といった見込み顧客の獲得です。
しかし、自身のサイトのあらゆるページに『資料請求』や『問い合わせ』を設定することは難しいと言えます。そこで目的ページへの導線設計を見直す必要があります。
例えば、『直帰率が高い×アクセス数が多い×滞在時間が長い』ページがあります。この状況から、ユーザーは時間をかけて該当のページを下部へスクロールしている可能性が高いと推測できます。
考えられるのは、ユーザーニーズに応じた良質なコンテンツを提供しているページであるものの、読み終えた後のアクションが設定されていないため、ユーザーの離脱に繋がっているということです。
このようなページは改善の必要が高く、ページの下部に『購入』『資料請求』『お問い合わせ』などのアクションを促すCTAを配置することで、コンバージョンの増加に直結させることができます。
まとめ
直帰率は、サイト内のコンテンツがユーザーニーズを満たせているかを判断する重要な指標となります。
直帰率は直接的にSEOに影響を与えませんが、直帰率の改善を図り、ユーザーの利便性と満足度が高い良質なサイトになれば、間接的にSEOにも良い影響を与えることになるでしょう。