RankBrain(ランクブレイン)とは?【GoogleのAI検索アルゴリズム】
投稿日:2022/01/13 (更新日:)
- RankBrainとは
- RankBrainとBERTの違い
- RankBrainがSEOに与える影響
- RankBrainを意識した対策法
- RankBrainの対策をしてユーザーの検索意図をより深く理解しよう
RankBrain(ランクブレイン)は、2015年10月にGoogleが導入したAIの検索アルゴリズムです。
Googleは、RankBrainを導入することにより、検索ユーザーの知りたい情報(ユーザーインテント)をより近い検索結果に表示できるようになりました。
Web制作者は、RankBrainがSEOに与える影響を考慮した上での対策が必要です。
今回は、RankBrainに関して、以下の内容をくわしくまとめています。
- RankBrainとは
- RankBrainがSEOに与える影響
- RankBrainを意識した対策法
RankBrainを理解して、ユーザーの検索意図をより深く理解できるようになりましょう。
RankBrainとは
RankBrain(ランクブレイン)とは、Google検索に導入された人工知能(AI)ベースの検索アルゴリズムです。
RankBrainは、自らデータを分析し学習することにより、検索クエリ(検索キーワードや文章)に対して、より高精度なユーザーインテントを提供できます。
それでは、RankBrainの「仕組み」「役割」「導入の背景」について、くわしく見ていきましょう。
RankBrainの仕組み
RankBrainの主な仕組みは、以下の通りです。
- 行動分析
- サイテーション分析
- リンクグラフ分析
それぞれ解説していきます。
行動分析
行動分析では、検索ユーザーがページに訪問したときの行動(UX:ユーザーエクスペリエンス)を分析します。
とくに、重要な行動は以下の3点です。
- 検索結果におけるクリック率
- 検索結果におけるコンバージョン率
- ユーザーインテントの変化
検索結果におけるクリック率、またはコンバージョン率が高いページは、検索クエリと関連度が高いと検索エンジンによって判断されます。
また、ユーザーインテントの変化がある(知りたい情報や疑問を解消したあとに、新たなユーザーインテントが生まれる)ページも、検索クエリと関連度が高いと検索エンジンによって判断されます。
以上のようなアクセスユーザーのUX(ユーザーエクスペリエンス)が解析され、検索結果に反映されるのです。
サイテーション分析
サイテーション分析では、訪問したページの評価や口コミを分析します。
※他サイトからの引用・言及を除く(被リンク、a要素のリンク)
とくに、重要なサイテーションは以下の2点です。
- サイテーションの量
- サイテーションの内容
サイテーションの量が増加傾向にあるページは、競合のページと比較して評価されます。
また、サイテーションの内容がポジティブであるページも、競合のページと比較して評価されます。
リンクグラフ分析
リンクグラフ分析は、被リンクの量や質を分析します。
一般的に関連度の低いページからの被リンクは、効果が期待できないといわれています。
一方で、関連性がある優良な被リンクが多いページまたはサイトは、他サイトの競合より高く評価される傾向があります。
優良な被リンクとは、政府関連や学術関連など「権威性」の高いページ、またはWebサイトからのリンクです。
RankBrainの役割
RankBrainの役割は、ユーザーが検索窓に入力したキーワード(検索クエリ)をこれまで以上に理解して、より検索意図に近い検索結果を表示することです。
先ほど話した通り、RankBrainが導入されていない検索エンジンでは、正確に検索クエリを理解できていません。
たとえば、Googleで「菅義偉の後」と検索すると、総理官邸の歴代内閣総理大臣のページが検索結果のトップに表示されます。
この表示の結果から「菅義偉の後」=「第100代目の内閣総理大臣は岸田文雄」と理解していることがわかるのです。
一方で、Bing検索で同様の検索をすると「菅義偉元総理」に関する検索結果が表示されます。
Bing検索(RankBrainが導入されていない検索エンジン)では、「菅義偉の後」=「第100代目の内閣総理大臣は岸田文雄」と判断できないことがわかります。
以上のように、RankBrainは検索クエリのユーザーインテントを正確に理解できるのです。
RankBrain導入の背景
RankBrain導入の背景には、次々と誕生している検索クエリが関係しています。
Googleのグレッグ・コラード氏によると、Google検索では1秒間に数百万回もの検索が行われており、そのうち15%ほどがはじめて検索されるキーワードなのだそうです。
そのため、新たな検索クエリに対する検索精度をより高めるために、RankBrainが導入されました。
新たな検索クエリの増加は、近年の音声検索の発達と普及に関係しています。
検索ブラウザやスマートスピーカーなど、音声検索が身近になったことで、「会話型」の検索キーワードが増えているのです。
従来のアルゴリズムでは、人間の言葉に近い口語的な検索キーワードに対して、検索意図に近い検索結果を表示できませんでした。
これは、口語的な文脈の意味を正確に理解できないことが原因です。
RankBrain導入以降のGoogle検索では、口語的な検索キーワードから関連度が高い検索結果を表示できるようになりました。
また、Google検索は口語的な文脈を理解するため、2019年10月に「BERT(バート)」という自然言語処理(NLP)技術を検索アルゴリズムに導入しています。
Google検索はRankBrainやBERTの導入により、検索意図により近い検索結果を表示させやすくなったのです。
RankBrainとBERTの違い
RankBrainとBERTの違いについて、見ていきましょう。
前述の通り、RankBrainは検索クエリに対して、より高精度な(関連度の高い)ユーザーインテントを提供するための検索アルゴリズムです。
一方でBERTは、複雑または長い検索クエリを正確に読み取れる自然言語処理(NLP)技術をいいます。
RankBrainとBERTのどちらも、検索クエリを正確に理解するためのGoogle検索アルゴリズムの一種です。
現在も増え続けている口語的な検索クエリに対して、正確な検索結果の表示が実現できているのは、RankBrainとBERTの働きといえます。
RankBrainがSEOに与える影響
RankBrainがSEOに与える影響は以下の3つです。
- Googleの公式アナウンス
- Google検索結果への影響
- ロングテールキーワード検索の実現
それぞれ見ていきましょう。
Googleの公式アナウンス
Googleのグレッグ・コラード氏によると、RankBrainはGoogleの検索結果の表示や順位づけに関わる検索アルゴリズムで数百あるシグナルの中の一つであると述べています。
当時、RankBrainが導入されてから、数か月で検索結果に影響を与える「3番目に重要なシグナル」になったと言及しています。
そして、現在AIの検索アルゴリズムであるRankBrainは、学習を繰り返すことにより、Googleのエンジニアの精度をすでに上回っているとされています。
つまり、RankBrainはWeb制作者にとって、SEOに影響をおよぼす最も信用のある公式のシグナルということです。
Google検索結果への影響
先述した通り、RankBrainはGoogle検索結果への影響があります。
RankBrainは、検索ユーザーの検索意図を理解して関連度の高い順に検索結果を表示できるため、Web制作者はこのことを逆手に取り、コンテンツを作成しなければいけません。
ロングテールキーワード検索の実現
RankBrainは、ロングテールキーワード検索を実現しています。
先述した通り、近年は検索クエリが口語的で長文なものが増えています。
従来の検索アルゴリズムでは、ロングテールキーワードに対して、正確な検索結果の表示ができていないのが現状でした。
しかし、RankBrain導入後は、検索クエリから関連するコンテンツを識別して検索結果に表示し、潜在的なニーズに応えられるようになりました。
そのため、Web制作者は潜在的なニーズをご自身のメディアに取り込むためにも、ロングテールキーワードへの対策をしなければいけません。
RankBrainを意識した対策法
RankBrainを意識した対策法を紹介します。
- ユーザーファーストを重視
- 検索クエリと関連するコンテンツや共起語を含ませる
- ロングテールキーワード対策
くわしく見ていきましょう。
ユーザーファーストを重視
これまでRankBrainについて解説してきた通り、検索クエリと関連度が高いコンテンツが検索結果で上位表示されます。
検索クエリに対して、ユーザーが満たすコンテンツを作成すること、つまりユーザーファーストを重視することが重要です。
検索ユーザーが何を求めているのかを理解してコンテンツ作成をしているか、抽象的にコンテンツ作成しているかの差が順位表示に出るはずです。
すでに、上位表示されているページだとしても、意図していない検索クエリで評価されていることもあります。
検索クエリに対して、ユーザーが満たすようなコンテンツ作成をおこないましょう。
検索クエリと関連するコンテンツや共起語を含ませる
RankBrainは、検索クエリから関連性を分析します。
ですので、検索クエリと関連するコンテンツや共起語を含ませるようにしましょう。
共起語を含ませることにより、潜在的なニーズに応えられるページになるはずです。
そして、多くの検索クエリに対して満足させられるのであれば、あなたのメディアは高く評価されるはずです。
ロングテールキーワード対策
RankBrainの導入により、ロングテールキーワード検索が実現しました。
ロングテールキーワードは検索ボリュームが少ないことから、多くの人が対策しません。
しかし、先述したように音声検索の発達により、ロングテールキーワードが増え続けています。
また、口語的な検索キーワードで検索する場面は、ユーザーがすぐに正確な情報を求めている場面です。
検索ユーザーの疑問や問題を解決できるページまたはWebサイトは、必ず高い評価を受けます。
検索ボリュームが少ないロングテールキーワードですが、あなたのメディアが誰かの問題や疑問を解消できるかもしれません。
注意点
ロングテールキーワードがことなっていても、検索結果がほとんど同じ場合があります。
これは、ロングテールキーワードが違っても、Googleは同じ検索意図と判断するため、ほとんど同じ検索結果が表示されます。
「1つのキーワード=1ページ」ではなく、ユーザーの検索意図を理解してコンテンツ作成をおこないましょう。
RankBrainの対策をしてユーザーの検索意図をより深く理解しよう
RankBrain(ランクブレイン)の仕組みやSEOに与える影響、対策法について解説しました。
RankBrainは、Googleが公式に述べている重要なシグナルです。
ですので、RankBrain対策には、ユーザーの検索意図をより深く理解してコンテンツ作成する必要があります。
常にユーザーファーストでWeb制作をおこないましょう。