セマンティック検索とは?【歴史や具体例からSEOに与える影響などを解説】
投稿日:2021/10/18 (更新日:)
サイト運営をしていると「セマンティック検索」という言葉を聞いたことがあるはずです。
セマンティック検索とは、検索するユーザーの目的や検索意図を検索エンジンが適切に読み取り、ユーザーの目的に合わせて検索結果を提供する概念のことを言います。
かんたんに言うと、検索ユーザーが求めている情報を検索結果で正しく表示させる概念です。
セマンティック検索を深く理解しておくことで、検索エンジン「Google」の理念を理解することになり、結果的にSEO対策につながるのです。
今回のコラム記事では、セマンティック検索とは何なのか、仕組みや歴史、具体例、SEOの5つを軸に、セマンティック検索について深掘りしていきます。
本コラムでは、難しい内容も簡単な言葉に置き換えて解説していますので、セマンティック検索についてあまり知らない方でも安心してご覧ください。
セマンティック検索とは
セマンティック検索(Semantic Search)について理解するためには、まずセマンティックという言葉を理解する必要があります。
セマンティックは「意味」や「意味論」などと訳させる英単語で、ITの世界では「データが持つ意味をコンピュータに理解させて処理する技術」の意味で使われます。
つまり、セマンティック検索とは、データ(ユーザーの入力した値)をコンピュータ(検索エンジン)が理解し、処理(検索結果に反映させる)する技術といえます。
セマンティック検索の仕組み
セマンティック検索が行われている流れは下記の通りです。
- 検索された値(自然言語)の意味を理解する
- 検索された値の意味に合致する結果を抽出する
このとき、注目するポイントは自然言語の意味を理解する部分です。
たとえば、日本語で「走る」「走っていく」「走り」「走ろう」などは、ほぼ同じ意味です。
しかし、これまでの検索エンジンでは違うキーワードとして捉えていました。
実際に検索結果もそれぞれのワードによって乖離していました。
ところが、セマンティック検索の概念が導入されてからは、上記のような同じ意味の単語を高い確率で理解することができるようになり、「走り」や「走る」での検索結果もが似て表示されるようになったのです。
セマンティック検索の歴史
セマンティック検索を深く学ぶためには歴史を学びましょう。
大まかな歴史は下記の通りです。
- ハミングバードアップデート
- RankBrain
- BERT
ハミングバードアップデート
ハミングバードアップデート(Hummingbird Update)とは、会話などで使われる検索キーワードや、検索エンジンが読み取りづらい意図などをキーワードの文脈や文脈によって理解する検索アルゴリズムの技術です。
ハミングバードアップデートは、2013年9月にGoogleで導入が開始されました。
Googleがハミングバードを導入した結果、以下の変化がありました。
- 会話型のキーワードが適切に動くようになった
- あいまいな検索にも検索結果を返せるようになった
たとえば「昨日のサッカーの試合結果を教えてよ」と検索すると、サッカーのスコア掲載サイトがトップに表示されます。
これがセマンティック検索の強みです。
RankBrain
RankBrain(ランクブレイン)とは、検索キーワードとコンテンツの関連性を判断するために作られた人工知能(AI)ベースの検索アルゴリズムです。
2015年ごろからGoogleでRankBrainの導入が開始されました。
たとえば「アメリカ 総理大臣」と検索してみると、アメリカの大統領が表示されます。
「総理大臣」と検索しているのにも関わらず、AIが自動的にユーザーは総理大臣ではなく大統領を知りたいと思っていると判断し検索結果を表示させているのです。
RankBrainでは、ユーザーの位置情報やユーザーの閲覧履歴などのあらゆる情報を多角的に分析し、検索結果に反映させるのです。
BERT
BERT(バート)とは、人工知能(AI)をベースにした自然言語処理の検索アルゴリズムです。
Googleは2019年10月に英語検索のみを対象としたBERTアップデートを行いました。
その後、2019年12月頃に日本でもBERTアップデートが開始されました。
このアップデートは新しい技術というよりは、Googelのこれまでの技術をアップデートした形となります。
具体的には、検索キーワードの微妙なニュアンスの違いや文脈によって判断する技術が格段にアップしています。
BERTアップデートで最も影響があったのはロングテールキーワードでした。
具体例をあげます。
- 「セマンティック検索 とは」
- 「セマンティック検索 応用」
上記二つのキーワードでは、検索するユーザーが求めている内容はことなります。
そういった、ニーズに対応することが今回のアップデートは可能となりました。
また、需要が高まりつつある「音声検索」にもBERTは対応しています。
BERTの自然言語処理で、Googleは会話型のような複雑な文章を理解しやすくなり、最適な検索結果を表示させやすくなりました。
セマンティック検索の具体例
Googleでセマンティック検索が実装されたことで、下記のようなことが実現しています。
- 類義語が太文字表示になる
- アンサーボックス
- ナレッジグラフ
- リッチリザルト
類義語が太文字表示になる
セマンティック検索の強みは、類義語を理解している部分です。
たとえば「勝利」「白星」「制覇」「ビクトリー」などの単語は意味がほとんど同じですが、言葉が違います。
しかし、セマンティック検索の導入により、これらの言葉は同じ意味であることを理解し、適切な検索結果をユーザーに表示させることができるのです。
アンサーボックス
セマンティック検索によって実現した技術2つ目は「アンサーボックス」です。
アンサーボックスとは、検索したキーワードに対する回答が検索結果画面の上部にボックス形式で表示される機能を指します。
ナレッジグラフ
セマンティック検索によって実現した技術3つ目は「ナレッジグラフ」です。
ナレッジグラフとは、検索したキーワードに関連する情報が検索結果画面の右側(パソコン版の場合)に表示される機能を指します。
リッチリザルト
セマンティック検索によって実現した技術として「リッチリザルト」が挙げられます。
リッチリザルトとは、検索ユーザーがページの内容を理解しやすくするように、検索結果の画面に情報を表示させることを指します。
リッチリザルトはいくつか種類があり、たとえばURL欄にある「パンくずリスト」もリッチリザルトの一つです。
セマンティック検索がSEOに与える影響
セマンティック検索が実現したことで、検索ユーザーにとって有益でないコンテンツを排除することに成功しています。
つまり、質の低いコンテンツは淘汰されているのです。
また、今後の主流になる音声検索においても、セマンティック検索は重要な役割を果たすといわれています。
音声検索はテキストの検索と違い、キーワードが長くなる傾向(=キーワードの多様化+複雑化)があります。
SEOの世界に与えられる影響としては、細かいニーズを網羅したコンテンツが上位表示を獲得し、細かいニーズに対応できないコンテンツは排除されることが予想されています。
セマンティック検索に強いコンテンツの作成方法
セマンティック検索に強いコンテンツを作成するには「ロングテールキーワードを最適化」する必要があります。
セマンティック検索は、細かいユーザーのニーズに対応するための技術です。
つまり、ロングテールキーワードに対応することがセマンティック検索に対応する1番の近道なのです。
たとえば「SEO対策 会社」のサジェストキーワードには「大手、格安、東京、大阪」があります(その他にも多くのキーワードがあります)。
これらのサジェストキーワードをうまく網羅したコンテンツを作成することが、今後重要になってきます。
まとめ
セマンティック検索について、具体例や歴史などを中心に解説してきました。
セマンティック検索は、検索するユーザーの満足度を向上させるために提供される技術です。
本コラム記事で紹介したセマンティック検索の知識を理解したうえで、コンテンツを作成して結果を測定してみてください。
トライアンドエラーを繰り返すことで、セマンティック検索に対応したコンテンツが作れますので、ぜひ挑戦してみてください。