【Googleアップデート】医療・健康に関連する検索結果の改善の影響とは!?
投稿日:2017/12/22 (更新日:)
Googleが公式ブログ内で、発表した「医療・健康に関連する検索結果の改善について」関連するサイトの検索結果に大きな影響を与えました。
今回の、Googleアップデートの意図は信頼性が高く有益な情報を上位に表示するために行っています。
特に、医療や健康に関連する情報に対しては信頼性や確実性がある情報やサイトでなければ危険であるとも考えることができます。
どのような影響を及ぼしたアップデートであるのかを考えていきます。
医療・健康のGoogleアップデートの影響を見てみる
新規ドメインで運用している、とある「医療・健康に関連するサイト」のGoogleアップデート前後の順位データが手に入りました。
詳細は明かせないですがサンプルとして使用して考察していきます。
150キーワードほどSEO対策(主に外部リンク対策)をしているサイトでした。
ですから、ある程度の規模やボリューム、コンテンツを持っているサイトではあります。
結論としましては、このサイトはほとんどすべてのキーワードの順位を大きく落としていました。
内訳としましては、
- 圏外:79キーワード(内37キーワード100位以内から圏外へ)
- あまり変化なし(マイナス5以内):18キーワード
- 5以上10以内降下:7キーワード
- 10以上20未満降下:9キーワード
- 20以上降下:7キーワード
- 30以上降下:4キーワード
- 40以上降下:9キーワード
- 50以上降下:17キーワード
という状態になっており、大ダメージを負ったサイトの例と言ってもいいかもしれません。
順位が下がったキーワードに傾向はあるか
サイトの詳細が明かせないのでキーワードを公開できない制限があり説明が難しいですが、サンプルサイトが扱っていたキーワードは、
- サプリ(商品・製品名等)
- 成分名
- 病名・症例
- コンプレックス系
- 精力剤系
- 美容系
- ダイエット商材系
- 医療・健康・通販(キーワード+通販)
- 複合系(悩み+サプリ、悩み+商品等)
などのキーワードを主に対策していたようですが、どのキーワードも大きく順位を下げていました。
これは、すべてのサイトに当てはまるわけではないでしょうが、このサイトに関しては根本的にコンテンツやSEO対策を見直さなければならないでしょう。
場合によっては、質の高い中古ドメインなどに乗せ換えを行ったり大幅にサイトを改修・改善、リニューアルする必要があるかもしれません。
順位の動きと被リンク対策から見てみる
すべてのキーワードでは見ていけませんので、動きが大きかったものをいくつかピックアップして見ていきましょう。
キーワード | 9月平均順位 | 10月平均順位 | 11月平均順位 |
---|---|---|---|
キーワードA | 7位 | 7位 | 6位 |
キーワードB | 11位 | 13位 | 11位 |
キーワードC | 26位 | 25位 | 28位 |
といった具合で、12月前の3ヶ月間を通してみても大きな動きはなく安定しています。
この間に、どのようなSEO対策を行っていたかはわかりませんが、アップデート前までに行っていた被リンク対策での被リンク数はわかりましたので記載します。
- キーワードA:被リンク数32
- キーワードB:被リンク数29
- キーワードC:被リンク数23
上記が、言ってしまえば自演リンクとして獲得している被リンク数になります。
個人的な感想は、「自演リンク多いな」「コストかけてるな」といった感じですが、被リンク対策に関しては運営者の考えなので一旦置いておきます。
例にしたキーワード以外にも、SEO対策は外部リンク対策主体といった言葉通り、150キーワード中136キーワードが数の違いはあれど被リンク対策をされていました。
では、12月6日から1週間ごとにどのような変化があったかを見ていきましょう。
キーワード | 12月6日 | 12月13日 | 12月20日 |
---|---|---|---|
キーワードA | 56位 | 100位 | 86位 |
キーワードB | 79位 | 圏外 | 圏外 |
キーワードC | 26位 | 圏外 | 圏外 |
キーワードA以外は、すべて圏外に飛ばされてしまいました。
キーワードAも10位以内にいて100位前後ですので、圏外と言っても過言ではありません。
対策ページの内容や作り方を根本的に見直さない限り、改善は厳しいといえます。
また、ここまで極端にどのキーワードも大幅に順位を下げているということは、不適切な手法やSEO対策で順位を獲得していたのでは?とも少し考えてしまいます。
どちらにしてもこの結果を見る限りサンプルサイトは、コストや時間をかけて行っている被リンク対策が、順位獲得や維持のためにはまったく役に立っていないといってもいいでしょう。
アルゴリズムの改変やアップデートごとに、多大な影響や急落する可能性がある施策やサイト運用はすべきではないでしょう。
被リンク対策主体のSEO対策も要因のひとつ
被リンク対策は、有効な手段ではありますがサンプルでいただいたサイトは、外部リンク対策のみを基本的に行っているSEO対策と言っていました。
ですから、今回のアップデートではコンテンツの質をより重視して行っている傾向があるためより強い影響を受けたと考えることができます。
「被リンク対策とコンテンツの質は関係ないんじゃない?」と言ってくる方もいますが、低品質な被リンクを多く持つコンテンツは、低品質なコンテンツであるともいえます。
低品質なリンクを集めることでコンテンツの質や評価を落としている場合もあるからです。
また、医療・健康に関するサテライトサイトはメインサイトよりも質が劣っている場合が多いので、今回のアップデートでそのようなサテライトサイト自体の価値も急落したでしょうし、そのようなサイトからの被リンクを持つコンテンツやサイトにもマイナスの影響がより強く出ると考えることもできます。
SEO・検索結果への影響は大きく、今後も続く
公式ブログ内で、Googleは以下のような発言をしています。
医療や健康に関する検索結果の改善を意図したもので、例えば医療従事者や専門家、医療機関等から提供されるような、より信頼性が高く有益な情報が上位に表示されやすくなります。
本アップデートは医療・健康に関連する検索のおよそ 60% に影響します。
Google では、医療や健康だけに限らず、今後も継続的に検索の改善に取り組んで行きます。
今後もより、精度を上げるための変更や調整を行っていくことでしょう。
また、今回は医療や健康に関するサイトに対してのアップデートでしたが、今後はそれ以外のジャンルなどにも継続的な改善を行うと発言しています。
どのようなジャンルや内容でも、情報やサイト自体に信頼性を求めていくという方向に大きく舵を切ったといえるでしょう。
特に正確性が求められる医療・健康系ジャンル
命に関る可能性やウソの情報を鵜呑みにしてしまい、危険な目にあう可能性が高いジャンルは特に信頼性が求められるでしょう。
ウェブは誰でも情報が発信でき、簡単に閲覧することができ便利な反面、質の低い情報やウソの情報に溢れているという面もあります。
今回のアップデートで、そのような質の低いページの排除や質の向上を促すキッカケになるかもしれません。
また、特に公式サイトや大手サイトが優遇されているとい側面が出ているとの声がありますが、「情報の正当性、信頼性を重視したアップデート」であると考えられるので、
- 口コミなどのページ
- レビューなどのページ
- 体験談などのページ
- 大手ではない通販サイト
- 個人ブログ
- 集客サイト
などが、影響を受けているのは当然と言えるかもしれません。
何が求められるようになるのか
医療・健康系などの情報に対しては、発信者が本職である方や専門家、医療機関などが提供していることを証明していく必要があるでしょう。
書籍などで考えてみても、医者でもない人間が書いた医療書があったとしても怖くて読めませんし倫理観を疑われてしまいます。
すべてのジャンルというわけではないですが、医療や健康など正確性や科学的根拠、専門的知識が必要なジャンルには、情報を提供する側の信頼性が高いほうがいいという考え方になるのは当然でしょう。
公式ブログのコメント欄は、若干荒れていて愚痴っぽい
今回のアップデートに対するGoogleの記事内のコメント欄は、一般ユーザーというよりは関連したジャンルのサイトマスターの方々ではないかと感じるコメントが多く見られます。
内容の傾向としては、
- 口コミが見たいのに
- 体験談が知りたいのに
- 医療機関や製薬会社などだけ信頼している
- 大手企業が上位に来ている
などの声が多く見られました。
言いたいこともわかりますが、口コミや体験談が見たいなら「口コミ、体験談」と検索語句を足して検索したほうがいいでしょう。
口コミや体験談より、医療機関や製薬会社、企業が上位に来ているのは発信している情報に対して責任を取らなければいけない立場だからでしょう。
特に医療や健康に対する、口コミや体験談は無根拠ですし無責任な情報であるということも言えなくもないからです。
今回のアップデートは口コミや体験談を否定しているのではなく、優先すべき情報や正確性が高い情報を責任を持って発信しているかどうかということが重要なのでしょう。
今回のGoogleアップデートを受けてどうしていくべきか
Googleアップデートは継続して行われていきます。
アップデートが終わることはないと言っていいでしょう。
ですが、わかっていることはGoogleはユーザーの為になる検索結果を求めており、ユーザーの為になるサイトを優先して上位に表示したいということです。
- ユーザーの為になるサイト
- ユーザーに有益な情報のあるサイト
- 情報の信頼性・正確性
- 発信元の信頼性・正確性
- 責任の所在の明確化
が、今回のアップデートでは、重要視されていたように感じます。
真っ当なアップデートであるという印象
細かい修正や調整は、今後も続けていき検索結果は改善されていくことでしょうが、基本的に今回のアップデートの方向性は、真っ当であると感じました。
無責任な情報やウソの情報が出回ることで、危険な分野はありますしインターネットには 虚実が混ざった情報やメリットだけを謳っているようなサイトやページも多くあります。
検索結果を見るユーザーは、自分を含めて考えても知らないことや知りたいことを検索しますが、検索した事柄について十分な知識があるわけではありません。
今回のアップデートによって、不確かな情報や信頼性の低い情報に辿り着きにくくするというのがGoogleの配慮なのでしょう。
また、YMYL(Your Money or Your Life)に医療・健康系は強く結びついており薬事法や誇大表現なども問題ですし、法的にも責任を負う必要があり冷静に考えて適切な対応であると感じます。
改善すべきは、コンテンツ
コンテンツやサイト内容に、信頼性や正確性がないサイトやページは特に医療・健康系の場合は評価されなくなるでしょう。
今回のアップデートで、薬剤師や医療関係者のサイトも下がっているという声もあります。
専門家であっても、自分の情報の開示や専門家である証明が必要になってくるのかもしれません。
医療・健康系のサテライトサイトに注意
サンプルで使用させて頂いたメインサイト系のメディアや専門家などが運営しているサイトですら、評価を下げているということは簡素なサテライトサイトは最早、評価もされないどころかマイナス効果しかないかもしれません。
特に医療・健康系のサテライトサイトを、被リンク対策目的だけで質の低いオーダー記事だけでトラフィックもなにもないようなサイトを量産してリンクを集めても効果はないでしょう。
ユーザーの役に立たないサイトは、いくらキーワードを含んでいたり良質な中古ドメインを利用していたとしてもドメインの価値を下げていくだけで効果はないからです。
良質なコンテンツ+良質な中古ドメイン
ジャンルや競合によっては、中古ドメインを利用しなくてもいい場合もありますが、まずはユーザーにとって有益で正確性のある情報のコンテンツを持つことです。
それに加えて、中古ドメインで初期投資しておくことをオススメします。
良質なコンテンツも、
- 面白さ
- 新情報
- 独自性
だけではなく、
- 正確性
- 信頼性
- 根拠
- 責任
を、意識して作成していくべきだと感じました。
参考文献や引用元の明示、運営者自身も提供する側として責任感を持った運用が求められていくでしょう。
中古ドメインの利用は、ユーザーに直接関係ありませんが検索エンジンに評価されやすくするために有用なアイテムです。
評価を高めるというよりは、
- 優先して評価される
- 過去の評価が残っている
- クローラーが訪れやすい
- インデックスされやすい
- 順位がつきやすい
という点で、有益なサイトをしっかりとユーザーに届けてもらうためにも利用する意味が大きくあります。
今回のアップデートを受けて大幅な改修や新たにサイトを構築する際に利用を検討してみてください!